イチゴで稼ぐワザ

たくさんの苺が生っている写真。

プランティング(Planting)

時期:3月初旬~4月末(カブルチャー地域)

プランティングのコツ

  • しゃがんでつま先立ちになりがら行うと背中が痛くならず疲れずらいが、つま先の感覚が数日鈍くなるので、不安な場合は入れ替えて行うとよい
  • イチゴは水を大量に必要とするので、土壌が水で泥だらけあるいは足首位まで水が溜まっている。男性は裸足でやるのをお勧めする。ブーツや長靴を履く場合は、靴の高さに合わせて靴下も長めの物を用意すること。そうでないと、砂で靴と足が擦れて痛い。
  • 利き手の薬指や小指を腱鞘炎になる人が多い。自分の場合は、何を考えたかそれに指立て伏せを加えてしまったため、バネ指にまで悪化させてしまった。プランティングを毎日行っていたわけではないが、それでも治るまで○日もかかった。

ツールの持ち方

1. ベーシック

プランティング用具のベーシックな持ち方の写真。

殆ど100%の人がこの持ち方で行うが、苗を植える工程、スピードは千差万別。調子がよければ45分で500苗植えることも可能。1時間で1,000苗をこの方法で行える人は、70人規模のこのファームでも正直見たことはない。

このベーシックなやり方には、主に下の2種類の派生があります。

1-1. 穴を掘って、苗を突っ込んで、土をかぶせる方法。

私のファームではスーパーバイザーから最初に教わる方法。土をかぶせる際に、左右合わせて2回土を被せるように言われたが、時間がかかるので殆どの人は1回で済ませるようになる。スピードを求めて、ここからそれぞれ独自の工夫を加えていくことになる。

手順
  1.  棒を刺して手前に引き広げて、穴をつくる。
  2. 左手で苗をつかんで入れ、右手の棒で毛根の部分を穴に(勢いよく)押し込む。(この時ツールの向きが重要。ヒゲの全てを一発で穴にしまえる様、ツールを反時計回りに90度回して、ヒゲ全体を覆えるようにする。)
  3.  最後に棒で奥から土を一回でかき寄せて、毛根が隠れ、苗が倒れないようにする。(この時力強く土をかき寄せると、そこに別の穴ができてしまいスーパーバイザーに注意されてしまうので、土は軽く被せる程度、というか穴がごまかせる程度で行うのが早く終えるコツ)
メリット
  • 苗の大きさ、土の状態がどうであれ、このやり方で進めていくことができる。
  • 苗にも優しいやり方なので、多くのファームではこのやり方で問題ない。
デメリット
  • 中指、薬指、小指への負担がある。
  • 土を被せる際に、ツールが地面に対して垂直になるため、平にかぶせることが難しい。
    上手にやるか誤魔化すかできないと、スーパーバイザーから注意を受ける。

1-2. 苗を押し込んで、土をかぶせる方法。

メリット
  • 穴を掘る工程、人によっては土を被せる工程すら省くため、方法1-1より大分早い。
デメリット
  • 土が固い、苗が大きすぎる場合は、力を

  • かけても苗が土に入っていかないで時間とパワーのロスになる。

  • この方法を推奨するファームも多くあるが、一方でこの方法を横着であるとして好まないスーパーバイザーも少なからずいるため、注意を受ける可能性がある。
    土をかける工程まで省くと、苗の根っこが隙間から見えてしまうため、スーパーバイザーからやり直しを命じられる可能性がある。ここは状況判断力が試される。

2. 逆手持ち

プランティング用具を逆向きに持った写真。

マスターすれば1時間で1,000苗可能か。

この持ち方をしている人は殆どいませんが、ファームで4年間働いているというスーパーバイザーがこのやり方を披露してくれて、彼はとても速かったです。私が苗を置いて彼が植えていくという状況でしたが、1苗ほぼ1秒のペースで植えていました。苗を植えて土を平らに被せるという工程を考えると、理にかなったやり方だと思います。

私はこの時既に薬指がバネ指になっていて、やや小指と薬指に負担がかかるこのやり方はマスターする事はできませんでしたが、上手く使えれば、「1. ベーシックな持ち方」よりも早く、かつ土を平らに被せて植えることが可能だと思いました。

手順
  1.  L字ツールを逆向きにもって、苗も逆向きに置く。
  2.  苗のヒゲの真ん中あたりをツールの先端で抑え、そのまま体重を乗せて押し込む。
  3.  ツールで奥から土を引きずって、押し込んで穴が開いた当たり(自分から見て裏側)に被せる。
メリット
  • 逆さに持つことで、苗を押し込むときに力が手首の部分に垂直にかけることができ、握力への負担が少ない。
  • 土をかぶせる際にツールが地面と平行になるので、力が入っても平らに土がかぶさる。
    無駄な動きがないので本当に早い。
デメリット
  • 苗が大きかろうと小さかろうと、押し込む形しか取れないので、地面が固すぎたりすると力を入れても押し込めなかったり、苗のヒゲが切れてしまうだけになったりと難しい。
  • 土をかぶせる際に若干小指側に力がかかるため、既に小指や薬指を故障している人には厳しい。
  • 何より慣れない方法なので難しい。この持ち方で穴を掘るのは難しい為、必要に応じて持ち替えるなど、状況判断ができる経験が必要。

カッティング / トリミング(Cutting / Trimming)

時期:3月末~5月初旬(カブルチャー地域)

① 葉を切るカッティング

基本的にプランティング数週間後に、1苗につき一度しか行いません。
プランティング時に既に生えていた葉は状態がわるく、茎の色が赤くなり、殆どの葉は枯れてしまいます。そんな葉をそのままにしておくと、栄養を無駄に吸収されたり、病気の元になってしまいますので、切り落とします。この作業をカッティングと呼びます。

歩合で行われるファームの方が多いのではないかと思います。プランティングと違い、歩合の単位は1 row(1畝)当たりになるでしょう。ファームによって、ファームの中でさえも1 rowの長さと列の数はバラバラですので、1 row当たり何ドルだと歩合が良いと述べるのは大変難しいです(メートル当たりのレートが分かればいいのですが、自分のファームの1 rowが何メートルか分かっている人は殆どいないと思います)。

その為、カッティングのレートでそのファームが優良かどうかを判断するのはお勧めできません。

このカッティングという作業、ファームによっては時給換算でとてつもなく稼ぐことができます。例えば僕のいたSunRay Farmですが、1 row当たり13ドル前後で、遅い人で1 rowを30分、早い人で15分で終わらせてしまうので、遅くても最低時給以上、中には1時間で40~50ドル稼いでしまう人もいました。

しかしこの作業は午前中で終わることも多く、先ほど述べた通り1苗につき1度しか行われないので、この時期を総額で見ると、そんなに稼げる期間ではないかと思います。

またカッティング程度の仕事ですと、外部委託せずにファームで直接働く人だけでやってしまうこともありますので、シェアハウスなどでコントラクター経由で働いている人には仕事が回ってきづらい期間でしょう。

コツ

「疑わしきは伐っせよ!」

カッティングは伸びている葉を切るだけの単純な作業で、プランティング程やり方にバリエーションは無いと思いますが、やはり経験者と初心者ではスピードが断然違います。常に腰をかがめての作業で体力も大事です。しかしうちのファームで一番早かったのはフィリピン人の女性ですから、やはり体力以上に早く終えるためのコツがあります。

手順
  1.  左手(利き手とは逆)で、円を描くようにして、長く伸びて元気のない葉を束ねる。
    この時、多少ツヤのある元気な葉が混じっていても、気にしない。
  2.  ハサミで切る。
  3.  切った葉は左手でそのまま畝の下へ落とす。(落とさないと、切っていないように見えるのでやり直しさせられます。)
  4.  もし他に赤い茎、元気のない葉があれば切り落として完了。次の苗へ。
ポイント

「疑わしきは伐っせよ!」です。スーパーバイザーがチェックするのは、苗にまだ赤い茎、古い葉が残っているかどうかです。切り落とされた葉に元気なものが混じっているかどうかなど、チェックできません。早い人は、①で左手で古い葉を束ねる時、健康な葉が多少混じっていても取り除いたりはせず一気にいってしまいます。

実際、苗にはクラウンと小さな葉が2,3枚ついていれば、驚くような生命力で成長せいてくれます。

  • 開始と最後は丁寧にやる。スーパーバイザーが基本的にチェックするのはrowの端だけです。そこは丁寧にやらないと、目をつけられるリスクがあります。
    これは別に中間を適当にやっていいとか、すっ飛ばしてやっていいと言っているわけではありません。しっかりとカッティングされなかった苗は成長が遅れたり、死んだりしてしまいます。そうするとピッキング時に困るのは自分たちです。ちゃんとやっている人からも白い目で見られるでしょう。
  • ハサミはしっかりとした物を選ぶ。非常に大事です。バネが壊れたりしていて切っても開いた状態に戻らないと、スピードが落ちますし、手にも余計な負担がかかります。そのファームにしっかりしたハサミが少なくて取り合いになる場合、自分で購入してしまうのもありかもしれません。
  • 1苗なるべく1発で切り終える。多くても2発。単純に、1発で終える人と2発で終える人では、スピードに倍近い差が生まれます。
  • 怒られないギリギリを全力で攻める。実際、早い人と遅い人の違いは何かと言われたら、これが一番大きいと思います。早いどこまで雑にやっても怒られないか、その境界線を見つけて、そのギリギリを全力のスピードでやり続けます。苗の為を思って丁寧にやる、それは素晴らしいことですが、目的が稼ぐことだとすると、ゆっくり丁寧にやる事は自己満足にすぎないかもしれません。

スーパーバイザーも勿論丁寧にやってほしいと思っている一方、早く効率的に仕事を終えられる人を見極めようとしています。それはピッキングのハイシーズンに向けて、大人数で夜までやっても終わらないような時期に、なるべく早く稼いで仕事を終えてくれるような人を必要としているからです。

②ランナーカッティング (Runner Cutting)

時期:4月中旬~シーズン終わりまで(カブルチャー地域)苺から伸びるランナーの写真。

同じカッティングでも、ランナーカッティングは基本的にシーズン終わりまで定期的に行われます。
ランナーとは、イチゴの苗が繁殖の為に延ばす茎の事です。放っておくとそれが苗の分身のように成長し、お互いに絡み合ってしまって病気の原因、栄養の無駄になりますので、切り落とします。要するに避妊のようなイメージでしょうか。

1のカッティングと違い、SunRay Farmでは時給で行われることが多かったです。理由としては、このランナーカットの時期になると苗がたくさん葉を成長させて茂みのようになっていて、しっかりとランナーカットがされているのか確認しづらいことがあげられます。故に歩合にするといい加減に終わらせる人が多発して、途中から歩合でやる事は殆どなくなりました。

しかし歩合でやる場合、1のカッティングと同じレートだと、次第に稼げなくなると思います。葉は成長を続けてごちゃごちゃしてきて、ランナーの数も増えてくるからです。

コツ

このランナーカッティングに関しては特別なポイントは殆ど思い当たりません。時給で行われることが多いと思いますので、最低限のスピードがあれば問題ないでしょう。しかしくれぐれもイチゴの実や花は切らないようにして下さい。一気にスーパーバイザーが沸点に達します。

ピッキング

いよいよストロベリーファームの花形、ピッキングの始まりですっ!

ハンドピッキング (Hand-Picking)

時期:(4月中旬~6月中旬)

ハンドピッキングされた苺がトレーに敷き詰められた写真。

苗が植えられてから2カ月もたつと、ポツポツと赤い苺が姿を現し始めます。初めの頃は1 rowで1トレーも満たせない程少ししか取れません。なので大勢が横一列になって、1 rowずつ歩いてピッキングしていきます。

ハンドピッキングに関しては特にコツはありません。時給で行われることが多いですし、コントラクトであっても、ひたすら歩いて苺を見つけたら摘んでカゴに入れるだけです。

トロリーピッキング(Trolley-Picking)

時期:5月初旬~10月

現在、執筆中